戻れない場所
第2章 1
メールをするようになって2日。
私はなんとなくではあったが、彼に対する気持ちが変わっていたことに気づいた。
昨日まで先輩としてしか見てなかった彼を、いつの間にか1人の男として見ていたのだ。
「真奈ってやっぱ可愛いよ!優しいし、ほんといい子だと思う。」
そうやって彼は何度も私を褒める。
「好きになったりして。」
冗談ぽく言う彼。
「優矢先輩、冗談やめてくださいよ。」
「本気だよ?」
もう私には彼の考えてることが分からない。
「だって先輩には好きな人いるじゃないですか。」
「もう真奈の方が好きかも。」
からかわないでよ。
そう言っても、彼は本気としか言わない。
いつしか元カレへの気持ちなんて1ミリもなかった。
「優矢先輩…付き合ってください。」
その言葉が、彼との幸せな日々の幕開けとなった。