戻れない場所
第2章 1
まもなく〇〇~〇〇~-----
私たちは電車を降りて改札を出た。
そしてそのまま歩いて帰り道を辿る。
その途中、彼は私の手を引っ張って近くの公園に連れ込んだ。
私がきょとんとしていると、彼はベンチに座るよう促した。
「ごめんね、もうこんな時間なのに。…まだ離れたくなくて。」
彼が照れ臭そうに言う。
「いいよ。私も同じ気持ちだったから。」
彼は私の顔を見て、にっこり笑った。
未だに緊張気味のふたり。
手は握って握り返しての繰り返し。
そして私はその沈黙を破るかのように、口を開いた。