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先パイ、これは恋ですか?

第5章 少しだけ


「「「…………。」」」

沈黙が流れる。


「みみ…。」

「みみ……!!」

「はい…。」


「どうしても歌えないのか……。」

「うん…。」


あれから3回通したけど、1回も最後まで歌えなかった。
申し訳ない………。

何より、歌詞にまで反応してる自分が嫌!嫌い!バカじゃん、あたし!!

歌わないといけないのに歌えない…。
そしてみんなに迷惑かけてる。

最悪だ…………。


「みみ。
みみは本当は歌いたいハズなんだ。
だが、歌えないのには理由がある。
その理由を見極める事が大事だ。」


歌いたい??
歌いたいのかな、あたしは………??

理由なんて………。
分かんない。


「…うん。」

「ギターとかドラムは完成に近いから自信を持て。
今日は解散にする。」

「にゃ。
次練習したら本番だから、頑張ろうにゃ!」


…みんな…………。


「本当に…………ごめんなさい………。」

「気にするな。
仕方ない事だ……。」

「そうだにゃ。
んじゃ、バイバーイ!」

「うん。」


少し重たい雰囲気の中 自己嫌悪と申し訳なさと共に、家に帰った。

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