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狼と白頭巾ちゃん

第15章 一輪の花

聞くところによると…、


その人はその日、酔ったまま夜中に村からすぐの道に出て、そこでその獣を見たのだそうだ。

その人は驚いて声を上げ、その声に驚いたのか、獣はすぐに何処かにいなくなったと云う。



話を聞いた人々は、酔っぱらいの戯言だと笑う人が大半だったが、中には獣狩りをしようと言い出す人も出た。



そんな話を両親から聞いたライラは、胸がざわつくのを感じていた。


贈り物は今も続いている。

もし、村の人が見た獣がシンだとしたら……。

そしてもし、シンが村の人達に殺されてしまったとしたら………。






「…イヤだ!そんなの、耐えられない‼」

ライラは、シンに対する自分の想いをはっきりと自覚した。

(私、シンのことが好き。シンのいない毎日なんて考えられない)

そして思った。

(これ以上、シンを村に来させてはいけない‼)



ライラは気持ちを固めた。



「シンに会いに行こう!」

と……。

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