俺を好きだと言ってくれ
第3章 *初恋..
「神崎く『何も見なかったことにして。』
「え………?」
『由紀のこと、奥田さんは何も見てないことにして。』
歩きながらそう言う神崎くんは真剣で、何も言い返せなかった。
「…うん………
わかった………」
『…ありがと』
目の前であんなことされて、それでも由紀さんをかばう神崎くんが信じられなくて……
それと同時に嫉妬心と悔しさが胸を苦しめる。
「…神崎くん………」
『…………』
「っ……黙ってるの………?」
『…………』
「見て見ぬフリするの……?」
私の質問には答えない神崎くん。
「許しちゃ『関係ないだろ!』
驚いた。
初めて声を荒げた神崎くんに私は声を失った。
『何も見てないんだよ、奥田さんは。』
「…………」
『頼むから、由紀とのことに口出ししないで。』
ショックだった―……
突き放されて落ちるとこまで落とされた気分だった。