俺を好きだと言ってくれ
第2章 *出逢い..
『美優!』
「――?」
昇降口を出ながら、革靴のつま先を地面にトントンッと数回突きながら歩きだすと呼び止められた。
「…モッチー!」
『帰んの?』
「うん。
あっちゃんは
勇樹くん待つって言うし。」
『んじゃ俺も帰ろ』
「え?
サッカーしてたんじゃないの?」
校庭の隅に置かれたベンチに腰かけ休憩中の男たちが、不思議そうに美優と龍平のやりとりを見つめる。
その中には神崎くんの姿も―……
『疲れたから抜ける。
美優が現れてちょうど良かった(笑)』
「…そう……なの…?」
『うん。
靴替えてくるからちょい待ち!』
駆け足で昇降口へと消えたモッチーを自然と目で追う。
ベンチの側で1人取り残された私―…
なんか、気まずい。