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俺を好きだと言ってくれ

第2章 *出逢い..

 



モッチーが昇降口へと消えて数十秒が経った頃―……






『っ…奥田……!!!!』



「……!!!」







自分の名前を叫ぶ声と同時に、体の中心に稲妻が走ったように衝撃を受けた。



そしてすぐ後に、自分の視界が90度変わったことに気が付いた。







『っ…奥田…!大丈夫!?』







何が起きたのか理解できなかった。




とりあえず、肘やら膝が痛くて、チラッと手の平を見たら擦り傷の中には細かい砂が入り込んでいた。







『…美優!!!どうした!!!』







私を心配そうに囲む男の中で、唯一私を美優と呼ぶ声―…






「モッチー………」



『美優…『大丈夫?』







でも、私の一番近くで聞こえた声はモッチーじゃなかった。





聞き慣れない―……


たぶん数回しか耳にしたことのない―…



それでも私の胸がドキンッと高鳴るくらいに鮮明に記憶に残ってる声。







『空…どうすんの……?』



『保健室連れて行く』







ふわっと浮いた体―…



人生初のお姫様抱っこは甘い香りに包まれて、一気に高揚した身体は高熱を出した時のように浮ついていた。


 

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