
パプリカより甘いカレ。
第1章 気付いたの。
「そういえば、眼鏡かけてますが、視力どのくらいなんですか?」
「忘れたなー、かけてみるか?多分見えないだろうけど」
先生の眼鏡は黒の金属のフレームだった。わかりやすく言えば、この眼鏡をかければ数学が苦手な私でも、知的に見えるということである。
先生と私は向き合っているため、距離が近かった。しかも、眼鏡を外した顔はいつもと違い、眼鏡なしの大人っぽい表情にドキッとしてしまった。
「どうだ?」
「クラクラします。先生は見えますか?」
「全く見えん(笑)」
これは面白いと思い、先生から2M離れたところで指を三本たててみた。
「先生、これ見えますかー」
「見えないなあ」
私は見えるまで近づいてってくれと言われたので、どんどん距離は縮まっていく。
今、私と先生の距離は
1Mをきったところだと思う。
