
パプリカより甘いカレ。
第2章 恋はピーマンとパプリカ
放課後
「葉崎…本当に数学ダメなんだな」
「…すみません」
やったプリントを先生に渡しに、私は視聴覚室でお勉強ですが、
プリントは見事0点。
「これから徐々に俺と頑張ろうな」
ニコッと先生は微笑む。
眼鏡越しのちょっとつり目がまたカッコいい。
「…じゃあ全部教えて下さいよ?」
「上等~」
こうして、私と先生の勉強会は毎日始まった。
「とりあえず、今日は基礎から。(α+β)(α-β)の公式覚えてるか?」
「えーと…分かりません」
「じゃあまずここに書いてある展開の公式3つを覚えてくること」
「いつまでにですか?」
「明日から毎日やるよ」
「ええ?!む、無理ぽ…」
流石に3つ覚えてくるのは私の頭では無理だった。
「無理ぽってな、そうでもしなきゃ体に染み着かないだろ」
「で、でも…」
「ほれ」
先生は青い厚紙を渡してきた。
「なんですか、これ」
「1日一回スタンプ押すから、毎日持ってこいよー」
「30個もある…貯まったらご褒美ありですか?」
「勿論、それはあるさ」
「アイス買ってくださいっ!とかでもいいんですか?」
「なんでもいいぞー。ちゃんと来たらの話だけどな」
やった、アイス!
絶対、ハーゲンダッツ
おごってもらおう。
