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堕天使

第4章 今頃だけど、堕天使って…?

「パートナーの霊力を分けてもらうんだ」


分けてもらう…
霊力を…分けた覚えが無いんだけど…


「もらっていきましたから(笑)」

にかっと笑うのは、天使なのか、悪魔なのか…それとも人間か…

明るく寂しそうな笑顔は、堕天使を匿う心だけは有るからか…それは、美里には分からなかった。

「霊力は尽きるものじゃないの?」
「まぁ、そのパートナーが…生きてる限りは…」


ひくっ

思わず頬が引きつる。生きてる限りって事は…死ななければ、だよね…


「だからこそ、パートナーは大切な人であり、仲間なんだ!」

「ふーん…だから私を守るの…?」

私が呟いた瞬間、颯真は暗い顔をして苦笑した。

「違うよ…仲間って言ったでしょ?仲間は護る、それだけ……でも仲間も協力してもらはないと、ね♪」

にこり、と笑顔に戻る。明るい明るい笑顔。

「仲間…か。でも、そんなの…一番知らないのは私達だよ…」


悲しくなって私は顔を伏せた。
手に力が入る。
胸が痛い…


「…知らないから知るんじゃない?」

「えっ…」

震える声で、颯真に聞く。

「知らないから知るとか…何を知らないかも知らないじゃない!!!!!…孤独の所為だよ!!みんな敵なんだよ!!なのにっ…「美里!!」

颯真の声と 包まれた暖かな身体が意識を戻す。

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