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空と海

第2章 第二章

ジリリリリリ

鳴り響く目覚ましの音に、ハッとして目をあけた。
じんわりと全身に汗をかいている。


「また…あの夢だ」
うるさい程の音をだす目覚ましを止めて、あたしは寝起きのかすれ声で呟く。


中学2年のときにあったレイプのせいで、あたしは大学生になった今も、その残像に脅かされ、おかげで男性に近づけなくなっていた。


蒸し暑いこの季節が近づく度、あのおぞましい夢を見る。
忘れたくても忘れられない、あいつらの声も、埃っぽい部屋も、全部鮮明に覚えてる。


考え出したら気持ち悪くなってきて、あのときのことを消し去るように、頭をふった。


住んでいるアパートから、大学までは、電車で20分かかる。


男は怖いけど、人見知りというわけではないし、それなりに仲のいい友達もいる。


そこら辺にいそうな、いたって普通の大学生。

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