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空と海

第2章 第二章

「どこまで成長するの」
苦笑気味にいった言葉は、教室に集まり始めたみんなの声でかきけされた。


教室の中もざわざわとしているけど、廊下がいやにうるさい。

「なんか廊下にあるの?」
「さぁ?」

まだ口をもぐもぐさせながら、興味ないといった風に答える。

ガラリとドアが開き、入ってきた人物によって、廊下がうるさかった原因がわかった。

黄色い声を発する女たちに囲まれて、入ってきたのは、橘 海斗。


「あたし、あいつ嫌いなんだよね」

言いながら、本当に嫌そうに、顔を歪める親友。

すらりとした長身に、整った顔、無駄な脂肪などなく、適度に筋肉がついている。
外見だけ見れば、誰もが目を引くであろう"彼"は、回りを取り囲んでいた女たちに、「またね」と、爽やかな笑みを投げ掛ける。

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