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空と海

第2章 第二章

そうこうしているうちに、電車は大学前につき、あたしたちは降りて、歩き始める。

駅から大学までは、5分と掛からないため、
駅をでると、道は学生で溢れかえっている。

「あつい。空、クーラーつけて。」
極度に暑さに弱い架夏は、うなだれながらあたしに助けを求めるが、ここは外だ。
クーラーはおろか、扇風機すらない。

「無理ー!!あたしにはそんな力はない」


あたしも、暑いのは苦手だ。
蒸し蒸しした、この空気は嫌いだ。

節電、節電と社会が言うが、そんなものは、大学では存在しない。

口々に暑い、という生徒たちによって、クーラーの温度はガンガンに下げられる。


「ふはぁー。生き返るー。」
教室に入るなり、架夏は横長のテーブルに頬をくっ付け、安堵のため息を漏らす。


「そら、お腹すいた。」

あたしは何でも屋か。
心の中で突っ込みを入れ、余分に持ってきていたパンを差し出す。

「全部貰うのは悪いから、半分こね」

と、明らかに半分じゃないパンの、小さい方をあたしに押し付けた。

「半分じゃないよね!?架夏の方がでかいよ」
文句を言いつつも、不格好に割られた、小さなパンを受け取って、口に運んだ。

「あたしは成長期なの。」

でかい口でほうばりながら、真面目な顔で言うから、危うく吹き出すところだった。


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