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feeling

第2章 九年前のある大雨の日

奏が園での生活を受け入れ始めたのは保護してから約二ヶ月後のことだった。少しづつだがしゃべるようひなり、様々な表情をみせてくれるようになった。
だが、それ以上しゃべるようにはならなかった。
もともとしゃべらない子なのだろう。
毎日の生活なんて無意味だ、とただ時が過ぎ行くのを一人で静かに待っているーそんな印象を持つ子だった。

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