
たまゆらの棘
第2章 燃ゆる日々
倫にはだんだんと解ってきた。この悪魔の根源が何であるか…それは全て倫の美貌にあったと。あるのだと。十六年間生きてきて、諸悪の原因を呼ぶものはそれだと気づいた。それならば悪魔としてとことん利用し、この呪われた自分の人生に関わるもの全てに復讐してやろうと思った。この美貌を剣と盾にして俺が傷ついた分、傷つけてやる。倫の心はささくれ立った。倫はそれからというもの、自分の美貌にことかかなかった。やっている事といったら、売りとバー。それでも倫の生まれ持った気品は不思議と損なわれなかった。また倫も自分でそれについては努力した。
ある日、バーの出勤前に駅前のフルーツパーラーでミックスジュースを飲んでいた。カタンと音がして、前隣の席に若い女三人が座ってきた。真っ正面に座った少女は、なんと幼少期に日舞で倫をいじめていた、桜美 麗だった。麗は見事に手の届かないと感じさせる程の一糸乱れぬお嬢様といった風格で三人の中でもリーダー的な態度をとっていた。しかし、そう。あのいじわるそうな高飛車な態度は変わらずそれが彼女の品格を落としていた。
ある日、バーの出勤前に駅前のフルーツパーラーでミックスジュースを飲んでいた。カタンと音がして、前隣の席に若い女三人が座ってきた。真っ正面に座った少女は、なんと幼少期に日舞で倫をいじめていた、桜美 麗だった。麗は見事に手の届かないと感じさせる程の一糸乱れぬお嬢様といった風格で三人の中でもリーダー的な態度をとっていた。しかし、そう。あのいじわるそうな高飛車な態度は変わらずそれが彼女の品格を落としていた。
