
たまゆらの棘
第2章 燃ゆる日々
藤原の部屋は4LDKだった。きれいに整理された部屋はモダンな家具がいくつか置いてあるだけで少しさみしい気もしたが、いつも外ではきっと、激しく快活に動き回る藤原には落ち着いてちょうどいいのかもと倫は思った。藤原は早速、グラスに赤ワインを注ぎ、倫に渡した。ソファに座るように倫の肩を優しく押して誘導した。倫はされるままに静かに座った。藤原はグラスを持ち、立ったまま倫に近づくと、座っている倫のグラスにチリンと乾杯した。
「ようこそ。お姫様。」そっと、隣の一人掛けソファに座ると、エルメスのネクタイを緩めた。倫はお姫様と言われて初めて家を飛び出した時の谷口を思い出した。胸にチクリとする回想に耽っていると、「どうした?不安か?」藤原が聞いてきた。「え?いや。違います。」「敬語はいらないと言ったろ。」「あ、はい、あ、すみません、」藤原は、はははと笑って言った。「まあ…じきに慣れるさ…深くなれば…」そう言って、藤原は倫に手をさしのべた。倫は素直に藤原の手に自分の手を重ねた。カチッとグラスが当たり、ふたりはワイングラスをテーブルに置いた。藤原は倫に近づき、倫の頬を撫でたあと、顎を触り上を向かせて、キスをした。温かい唇が倫の唇に触れた。それだけで倫は思った。(この人は…優しい人…)温かなキスをひとつ、ふたつ、交わすと藤原は倫に自分があつらえた倫のシャツのボタンを外しはじめた。藤原の吐息が熱くなり出した。倫は目をつむった。
「俺が怖い?」藤原は聞いた。
「まさか。生娘じゃあるまいし。」倫は言った。藤原はニヤリと笑うと「本性が出たな、倫。」そう言って倫の首筋に何度もキスをした。
「…あ…ぁ」倫が吐息を洩らすと、「ベッドへ」藤原は倫に命令した。寝室に移ると藤原は倫の服を脱がせて愛撫した。倫の体は窓から入る東京タワーの光に反射して美しかった。藤原は始め、倫の想像通り優しく優しく愛撫した。倫のそれを口にくわえた時には激しく責め立てた。「あ…あ…藤原…さ…イク…」「イけよ。倫。」倫は藤原の口の中で果てた。倫の白い肌が、微かに桃色に変わり、藤原はそんな倫を抱きしめた。藤原は倫のそこにオイルを塗ると二本の指を入れてきた。優しく出し入れされては、次は激しく、そのたびに倫は喘ぎ声を出した。藤原は倫にゆっくりと挿入した。藤原も熱い吐息を倫の首筋にかけた。
「ようこそ。お姫様。」そっと、隣の一人掛けソファに座ると、エルメスのネクタイを緩めた。倫はお姫様と言われて初めて家を飛び出した時の谷口を思い出した。胸にチクリとする回想に耽っていると、「どうした?不安か?」藤原が聞いてきた。「え?いや。違います。」「敬語はいらないと言ったろ。」「あ、はい、あ、すみません、」藤原は、はははと笑って言った。「まあ…じきに慣れるさ…深くなれば…」そう言って、藤原は倫に手をさしのべた。倫は素直に藤原の手に自分の手を重ねた。カチッとグラスが当たり、ふたりはワイングラスをテーブルに置いた。藤原は倫に近づき、倫の頬を撫でたあと、顎を触り上を向かせて、キスをした。温かい唇が倫の唇に触れた。それだけで倫は思った。(この人は…優しい人…)温かなキスをひとつ、ふたつ、交わすと藤原は倫に自分があつらえた倫のシャツのボタンを外しはじめた。藤原の吐息が熱くなり出した。倫は目をつむった。
「俺が怖い?」藤原は聞いた。
「まさか。生娘じゃあるまいし。」倫は言った。藤原はニヤリと笑うと「本性が出たな、倫。」そう言って倫の首筋に何度もキスをした。
「…あ…ぁ」倫が吐息を洩らすと、「ベッドへ」藤原は倫に命令した。寝室に移ると藤原は倫の服を脱がせて愛撫した。倫の体は窓から入る東京タワーの光に反射して美しかった。藤原は始め、倫の想像通り優しく優しく愛撫した。倫のそれを口にくわえた時には激しく責め立てた。「あ…あ…藤原…さ…イク…」「イけよ。倫。」倫は藤原の口の中で果てた。倫の白い肌が、微かに桃色に変わり、藤原はそんな倫を抱きしめた。藤原は倫のそこにオイルを塗ると二本の指を入れてきた。優しく出し入れされては、次は激しく、そのたびに倫は喘ぎ声を出した。藤原は倫にゆっくりと挿入した。藤原も熱い吐息を倫の首筋にかけた。
