テキストサイズ

たまゆらの棘

第3章 螺旋

サムスンの家は5LDKの一軒家だった。倫はびっくりした。この家には四人の住居人がいたが、サム以外は皆、女だったからだ。女達は倫を見て目を輝かせた。それで倫はすぐに困る事のないように自己紹介した。
「アイ・ハフトゥセイ・アット・ファースト…アイ・キャンノット・タッチ・オン・ユー」暫く沈黙が漂い、そして四人は大声で笑った。ひとりの女は「それじゃサムと同じじゃない!」と涙が出るほど笑った。「サムと一部屋をシェアするって?」他の女が笑った。サムは「俺はバイセクシャルだ!」と言い放ち「心配するな。」と笑った。「嘘ばっかり!こんな綺麗な子を連れてきて下心ないわけない!」まだ女達は笑っていた。笑い続ける女達をよそに「部屋に案内しよう」とサムは言った。
倫は二丁目の生活を思い出していた。また…この生活が始まるんだ…
サムの部屋は得体の知れない置物がたくさん並べられている中に聖母マリアの絵がベッドの上の天井に貼られていた。「寝ながら聖母マリアを俺は犯すんだ。最高だぜ。」サムは言った。はっきり言って部屋は不潔だった。倫は明日、この不潔な部屋を片付けていいかとサムに聞いた。サムは「ああ。部屋の雑用もやってくれると助かる。」と言った。倫はベッドに寝るように、俺はソファで寝るとサムは何故か言った。それは倫に対して実はサムスンの下心の計画があったのだが、倫は気付かなかった。倫はまた二丁目の生活を思い出していた。ここでまた…あの生活が始まるのだ…倫は覚悟した。倫はサムのベッドでよく眠れなかった。天井の聖母マリアのポスターのせいもあったのかも知れない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ