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ラッキー？

なんのことだ？

ほのかには意味がわからない。


「なんだ？　お前なにも知らないのか？　このブラックジャックのこと……」

「あなたはは知ってるの？　このブラックジャックについて……」

「『あなた』じゃない。俺の名前は重森かおる（シゲモリカオル）……」


重森と名乗る気味の悪い少年は相変わらずほのかには一瞥もくれず、正面だけを見て話しかけてくる。


「まあいいさ。説明が始まれば吾郷もすぐわかる。このゲームがいかにノーリスクハイリターンで素晴らしいものかが」


「なんで私の名前を知ってるの！？」


「なんで知ってるって、さっき入り口でレフリーに『吾郷ほのか』って呼ばれていたろう？
そんなことも察しがつかず、よく今までこのゲームで生き残ってこれたな？」

侮蔑の表情を浮かべながら初めて重森はほのかの方を向いた。