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第6章 孤独な夜のはじまり

暴れる新井が無理矢理着席させられると、ほのかの隣の席の男が「くっくっくっ……」と噛み殺した笑い声を漏らす。


驚いたはほのかは隣の席の男を見た。

隣の席の男はほのかと同じ高校生くらいに見える。

背丈は女子のほのかと同じくらいに小さく、腕も細い。

ただその表情は狂気を帯び、見るものをぞっとさせる迫力があった。

これから阿鼻叫喚の狂気のやり取りが始まるに違いないのに、まるでリラックスして楽しんでいるかのような表情。


目の下には深いくまがあり、長い前髪がその目の半分近くまでかかっている。

やけに落ち着き払った態度と不気味な表情が相まって、正体不明の不気味な存在に見える。


「お前もラッキーだったな、このゲームに参加出来るとは」

不気味な男は視線を動かさずにほのかに語りかけてくる。

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