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第7章 狂い出す計算式

10ベットしていたほのかには当然その倍の20が返ってくる。

100賭けていた重森には当然その倍である200が返ってくる。


とりあえずほのかは一回だけノーリスクで凌げるだけのチップを手に入れた。


19も引けるならもっと賭けておきたかった。


ほのかはギャンブルで最も無意味で愚かしい、してはいけない後悔の念にかられた。


しかし冨田はほっとしたように顔をあげ、苦しそうに微笑む。

チップ10とはいえ最終的に負けていれば指一本くらいは斬らる。


逆に換算すれば10万円もの額になる。


気付けば手のひらは汗でぐっしょり濡れていた。

たった一回のゲームでほのかの心は悲しいくらいに磨耗していた。

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