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第8章 他人の痛み、自分の痛み

木々の間からは街が微かに見える。


ほのかは無事だろうか?


竜崎は感慨深げにため息をつく。


そのとき--


ガサガサガサッッ……


背後の草むらでなにかが動く音がした。

竜崎は慌てて振り返り、持っていた木の枝を構える。


何かが、草むらの中から、こちらの様子を伺っているっ……!!


背後には境界線があり、そちらに逃げ出すことが出来ない。

自ら境界線を背にしてぎりぎりまで来てしまうことは軽率すぎたか、と竜崎は己の判断を恨む。


逃げられない。


竜崎は覚悟を決め、木の枝を強く握ってゆっくりと音がした方の草むらに間合いを詰めていく。



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