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第8章 他人の痛み、自分の痛み


「どうせ逃げるなら作戦を立ててからにしませんか?」

木村はそう提案してくる。

「作戦?」

「一旦それぞれが自軍陣営に帰り、どのような作戦を立てているのか確認するんです。
その情報を互いに持ち寄ればどの辺りに敵が潜んでいるかが解ります。より安全に逃げることが出来ます」

「なるほど。それは確かにそうだな」

頼りなげに見えた木村だが頭は意外と切れそうだと竜崎は見直す。


小石川ほどではないとしても考えることが苦手な自分にはもってこいのパートナーかもしれないと、竜崎は感じた。


「だが簡単に作戦を俺たちに教えるかな?」

「確かに。竜崎さんのチームにいるリーダー格のウルフとか呼ばれてる人は用心深くて疑り深いので有名ですからね」


「木村は知ってるのか?ウルフのことを」


「ええ。有名人ですから。ゲーム参加者に仲間を作り、仲間と一緒のゲームに参加するんです。
仲間が多いと有利に働くゲームが多いですからね、スレイブ・ゲームは」

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