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第8章 他人の痛み、自分の痛み

「ありがとうございます!」

木村は立ち上がりにこにこと笑う。

「気を抜くな!俺は嘘をついているのかもしれないんだぞ!!
ここはそういう場所だ。簡単に他人を信用したりするな」

「あっはい。すいません」

竜崎の言葉に木村はビクッと怯えたように震え、謝る。

自分と年齢もそうは違わないように見える木村を竜崎は放っておけない気持ちになった。


あまりに怯え、卑屈な笑みを浮かべて竜崎のご機嫌を伺うような表情を見ているとイラッと感じるとこもあるが、それ以上に手を貸してやりたくなる。

「このまま二人で隠れていたいがここは境界線ギリギリだ。そちら側から敵に襲われれば逃げ道がない」

「確かに。もっと逃げ場所があるところのほうがいいですね」

竜崎の指摘の言葉に木村も頷く。

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