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第9章 捕食者


「遅かったな」

竜崎が自軍陣地に戻るとウルフや佐橋らは訝しげに尋ねてきた。


「偵察ご苦労様。どうだった? 崖あたりに誰かいたか?」

ウルフは指揮官よろしく質問してくる。

「崖の上に誰かいるようだったな。銃を持っているかもしれないからあまり近づけなかったが」


出鱈目な作り話を竜崎は報告する。

「やはり崖の上を制圧してこちらの動きを見るつもりだな。向こうからは崖をよじ登らなくても崖の上に行けるからな。
地理的な有利がある。調査ご苦労様」

しかしそれは想定通りの展開だったらしく、ウルフは疑う様子もなく頷いた。

「では崖の方に二人向かわせ注意を払っているうちに別働隊が回り込んで……」

竜崎の持ち帰った情報も踏まえ、彼らの作戦会議は続く。

竜崎もその作戦会議の内容を端に座り、注意深くその内容に耳立てた。

そのお陰で大体の人の動きは把握できた。

自軍陣地はウルフを含め三人で守り、二人が囮として崖の人物の注意を引き、三人が先行して敵陣に向かう。

そのルートや隠れる場所も把握できた。

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