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第9章 捕食者

「竜崎さん!こっち!」



不意に暗闇から急に木村の声がし、竜崎は声のする方を見た。


木村が草むらから顔だけを覗かせている。


慌てて一司は木村の方へ駆け寄る。


「こっちです」

木村は慌てて草むらの中をずんずん進む。

竜崎はすっかりあがった息を整えながら木村のあとを追う。



しばらく屈みながら草むらの中を進むと、朽ちた倒木に隠れた場所に着く。


木村が身を屈めて倒木のそばで止まると、竜崎もようやくそこで息をつく。


「助かったよ」

「どういたしまして」

木村は邪気のない笑みを浮かべる。


合流場所に現れない竜崎を心配して、木村は辺りを探していたのだと語った。


その場所に隠れながら二人は互いに持ち寄った情報を小声で交換し合い、両チームの人間が来なそうな安全な場所を確認しあった。

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