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「まさかお前自ら旗を奪いに行くとはな、ハリマオ」

佐橋は苦笑いをしながら木村に向かいそう言った。


ハリマオ!?


竜崎はその言葉に瞳孔を広げる。



佐橋が酒守はな以上に気を付けろと忠告してきた男の名を何故木村に言うのか……

竜崎は頭の中では理解していたが心の中ではそれを認められずにいた。

「木村……お前……」

混乱しながら竜崎も呆然と立ち上がり二人の前に姿を晒す。

「やあ竜崎君。君からもらった情報のお陰で助かったよ！」

悪びれる様子もなく友達に軽くお礼を言う口調で木村と名乗っていたハリマオは竜崎に片手を挙げて挨拶をしてくる。