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「騙してやがったのか……？」

竜崎は怒りで身体を震わせ、木村を睨む。

「騙すだなんて人聞きが悪い。木村は俺の本名だし。
それに俺は君との約束は守ったつもりだ」

「な、んだと？」

「俺の情報や助けで君は命を落とさなかっただろう？それに俺がこの旗を持ち帰れば君が望んでいるようにゲームも終わる」

正体を隠していた時とはうって変わり、木村は何も臆することがない堂々とした口振りになっていた。

確かに木村の言う通り、木村に助けられ生き延びたし、木村が旗を持ち帰ればゲームは終了する。

とはいえ、竜崎は完全に木村に利用された悔しさと怒りがふつふつと湧き上がる。

「それに君は最初に俺に言ったんじゃないか。
こんな環境下で簡単に人を信じてはいけない、と」

木村は最高のジョークを言ったかのような笑みを浮かべる。

その笑顔を見て、自分がいいように騙され、思い通りに動くのを嘲笑っていたに違いないと竜崎ははっきりと感じ取った。

竜崎の脳は既にまともな思考回路は怒りの熱で焼き切れていた。