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第10章 悪党の饗宴

女は無理に作った笑みでコーヒーを一人づつ配る。

小石川にもコーヒーが配られた。


小石川は受けとるときスプーンを落としてしまった。

女は慌ててしゃがんで拾い上げ、代わりを取りにいこうとしたが、小石川は「どうせスプーンは使わないからいい」と断った。

そして小石川はコーヒーカップを持ち上げ、コーヒーを淹れた女に告げる。



「お前がしゃがんだ瞬間、コーヒーカップはお前のものと交換した」



ほんの一瞬女の瞳孔が開く。

「さあ飲め」

小石川は淡々とした口調で女に促す。

「…………」

女は間髪入れない小石川の行動に戸惑いを隠せなかった。

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