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第10章 悪党の饗宴

伊吹はガタッと音をたて席を立つ。

栗色のロングの髪が揺れる。

伊吹はこんな狂気じみたゲームに参加するのにメイクはしっかりとしている。


人前に出る身だしなみか、色気を使うための作戦か?


壬生も騒ぎだした伊吹をじっと観察する。

「田舎芝居が素敵だな、伊吹さん」

参加者の一人、笠原が冷たく突き放すように言う。

笠原は終始ひねくれた笑みを浮かべている男だった。

そんな笠原を『賢い振りをした間抜け』と壬生は読んでいた。

「いきなり毒殺しようとしてる奴がいるのよ!? 嘘つきゲームかなんか知らないけど頭がイカれてる!!」

伊吹は喚き散らしリビングを出て二階の寝室に走り去る。

残された三人はどう動くべきか考えあぐねている様子だ。

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