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第12章 『知らなくてもよかったこと』を知る日

しかし生活費もままならぬ状況にも拘らず父はギャンブルで借金を作り、しまいには家を飛び出して行方不明となってしまった。


それでも母は女手一つ、父の文句も言わず子供を養っていた。


長男である篤弘も中学生の頃から年を偽り、肉体労働の仕事をして家計を助けていた。


やがてもともと丈夫な方ではなかった上に無理が崇った母は、病床に臥してしまった。


お金があれば高度な治療も受けられたのかもしれないが貧しい小石川家にそのようなお金があるわけもなく、小石川の母はあっけないくらい簡単に息を引取った。


小石川の父方の親族は反対を押し切っての結婚だった為、自分の息子が悪いにも拘らず篤弘ら兄弟を邪険に扱い、引取りたがらなかった。


一方母方の親戚はあまり残っておらず、それも裕福な家庭ではない為に兄弟別々で引取るかと言う話になっていた。

しかし兄弟が離れるのは嫌だと幼い妹や弟が泣き止まず、篤弘は自分が兄弟を育てると決意する。

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