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第12章 『知らなくてもよかったこと』を知る日

小石川は幼い弟たちにお菓子を与え、外で遊んでくるように伝えた。


二人は篤弘の家へと上がる。


「びっくりしたか? 今どきこんな貧乏な家庭珍しいからな」

自嘲気味な笑みを浮かべ、小石川が説明を始める。



篤弘の父親は酒ばかり飲み、日雇いの仕事をたまにして、それ以外はギャンブルなどをする絵に描いたような駄目親父だった。

元々は立派な大学を出て一流企業に働いていたが、会社で大きなミスをしてしまう。

それが原因で退社をし、周囲の反対を押し切って篤弘の母親と結婚をした。

会社を辞めてすっかり自信を失い、ふらふらする夫を妻は献身的に支えた。

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