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第13章 兎

小石川とほのかはいつも通り中庭のベンチで弁当を食べる。


少食だから、という理由で小さい弁当箱にご飯ばかり詰められた小石川の弁当。


本当の弁当箱が小さい理由もおかずが少ない理由も知ってしまった今、ほのかにはなるべく小石川の弁当を覗かない気遣いしかできないのが歯痒かった。


二人は本当に当たり障りのない会話だけをした。


スレイブ・ゲームはもちろん、小石川の過去も、この場にいない竜崎の話も出来ず、映画や小説の話などをしている。


その白々しい空気も見たくない現実から目を背けるという意味でほのかにはありがたかった。

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