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第3章 廃工場の夜

「まぁいっか。反撃されて殺されちゃったら元も子もないし。三人がバラバラになるのを待ってよう!!」


女はからりと明るい声でそう言うと、タッタッタと軽快な足音を立てて走り去っていった。


女が立ち去る足音を聞いて、ほっと気が緩んだほのかはへなへなとしゃがみ込み、竜崎は額の汗を拭った。


小石川篤弘だけは用心深く、走り去った足音が偽りじゃないか、そのあたりに潜んでいないかを聞き逃さないように耳をそばだてて足音を聞いていた。


足音が遠くまで去って、階段を駆け下りて行くような音まで聞いて、ようやく小石川も安堵の表情を浮かべた。


走り去る女の足音は扉越しでわかるくらいに無警戒にたてられていた。

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