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第4章 脱出不可能

女はその言葉でやや安心した表情を見せる。

女性同士ということもあり、ほのかが女の背中を擦り、落ち着きを取り戻させる。

女性の登場に安心したのか思いの外、女は早くに落ち着きを取り戻した。


「……私が部屋に隠れて、タカシがあたりの状況を確認しに外に出たら……タカシがいきなり襲われて…………」

落ち着きを取り戻した女は、それでもまだ涙声で状況を説明した。


見るとタカシの首元は深くえぐるように斬られていた。


もちろん耳たぶは切り落とされている。


「どっちに逃げた?襲ってきた奴は?」

小石川の問いかけに女は恐る恐る廊下の奥のほうを指差す。


工場で作っていたであろうパソコン基盤が散らばる廊下の先は、切れかかった蛍光灯がちかちか点滅しており、暗さで先が見えない。


「反撃だ」


竜崎が立ち上がると小石川、ほのかも立ち上がった。


「待ってっっ!!私たちを見殺しにしないで!」

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