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逢いたくて、素直になれなくて

第2章  衝撃的な出逢い

高そうなピアスがいっぱい…!などと、ただだだ呆然と流ヶ崎來に見入ってしまっている私に、


「…おい、」


「はっ、ふぇ?」


いきなり呼ばれ、自分でも超間抜けな声出してしまったと思いながらも彼を見ると、


薄茶色の瞳と思いっ切り視線がぶつかった。


「……怪我してねぇか?」


彼の問いにこくこくと頷く。


「ッチ…何でこんなとこにいたんだ」


ジッと強い視線で問われ、


「…近道しようと思ったら、道間違えちゃって…そしたらいきなりあの人達が来て…」


「此処等は狭いし暗い…危ねぇのはわかってんだろ?今日はたまたま俺がここらに居たから良かったもんだが、普段だったら誰も来ねぇ場所だ。」


「はい…ごめんなさい。」


「…別に謝る事じゃない」


「…いえ、謝る事です。迷惑かけちゃったから…ありがとうございました」


笑える余裕なんてこれっぽっちもないけど、感謝の気持ちは伝えたいと思い、彼に笑顔で感謝を述べた。


今まで少し眉間にしわが寄っていて、無表情か怒っている印象しかなかったけど、一瞬目を少し見開き驚いた顔をした。


直ぐに無表情に戻った彼はポケットからスマホを出し、誰かに電話し始めた。


「あぁ、その辺りだ…急ぎだ。あと、瀑螺が出た。あぁ…」


誰かとのやり取りを終えると視線を私へと戻した。


「…直ぐに連れが来る。」


「え?あ、そうですか…」


この超絶イケメンともここでお別れか…凄い出逢い方だったなー。


「…おい、念のため言っとくがお前も来んだ。」


「はぁ……って、え?!」


「やっばり分かってなかったか。お前もついて来い。」


「えっ、でも…」


ブゥーン―ーシャッ…


断ろうとした時、黒いピカピカの…たぶん外車が狭い道路、私達のすぐ横に停車した。


「行くぞ」


「えっ、あ、」


一言そう言うとグイッと私の手首を掴み、車の後部座席のドアを開いて私を半ば無理矢理押し込んだ。


私…拉致られてませんか?



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