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逢いたくて、素直になれなくて

第2章  衝撃的な出逢い

ヤバいっ…こわい…


コツッ、コツッ…


黒く輝いている高そうな革靴が俯いている視界に入り、頭上から放たれる圧倒的なオーラに、目の前に彼が立っているんだと思い知らされる。


彼が恐いのか分かんないけど、こわい…!


勝手に身体が震えて、顔を上げられない―ー


「…おい、」


その低く色気を含む声に引き寄せられるように顔を上げると目の前には、



…有り得ない―ー、と思う程の超絶美形男子が私を見下すように佇んでいた―ーー


これが…流ヶ崎來――ー


私は今までジャンルは違えど、徹平や鏡夜以上のその…イケメンは見たことがなかった。


でも、いた。


みんな同じ人間なのにそれが信じられない位、彼はかっこいい―ー


彼を斜め下から見上げる形の私は、首が痛い…身長がかなり高い。


おそらく長身であろう彼は、スラッとした体型で不良校で有名なここらの工業高校の学ランを程よい感じに着崩している。


一番初めに目に入った茶色がかった瞳は、吸い込まれるような錯覚に陥る。


彼を見上げていると急に両脇に手を入れられ、


「えっ?!っきゃ!」


グイッと引き上げられ立たされた。


正面から、しかも間近で流ヶ崎來を見る形になった私は、驚きで言葉が出ない。


やっぱり長身だった彼は、164ある私のかなり上でざっと185はあると思う。たぶん。


それに加えぱっちりと綺麗な二重に大き過ぎず小さ過ぎないバランスの取れた目。形の整った茶色い眉。スッと通った鼻筋に高めの鼻。薄く形のいい紅い唇。荒れを知らない白く美しい肌。


金に近い明るいハニー色の髪は、おそらく色素が薄いのだろう。もう日が落ちそうな夕焼けに照らされ明るく、さらさらと秋風になびいている―ー


さらさらふわふわの髪は、ワックスやスプレーで固めている訳でもないだろうし、パーマをかけている訳でもないその髪は、


目にかかるかかかんないか位の長さの前髪で、トップが起つようにカットしてあって今時。似合いすぎる…てかこの人の為の髪型だわ。



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