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第12章 絡まる鎖

息が出来ないくらい苦しいのは、律が私の胸ぐらを掴んでいたからだ。

「なに、ふざけたこと言ってんだ? あ?」

奈落の底から出すような、冷たく低い声に私は鋭く睨む律が見れずに目を逸らす。

「――ふ、ふざけてなんかいません!」

そう私は叫ぶ。

でも律の手は服を離れずに、更に締め上げて言った。

「それが、本心ならちゃんと目を見ろ睦月!!」

「うっ……」

苦しさに漏れた声、それを止めるように周りが騒ぎだした。

「――長谷川君!?」

「ちょっ、何やってんだ!? お前等!!」

野原や騒ぎに駆け付けた中垣
そしてあの人も……

「あらら、暴力は良くないよ」

背後から聞こえた声、律の掴む手から私を引き離し自分の胸へと抱き寄せた。

そう、名取だった。

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