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オレンジ

第4章 固い壁

ああああ――っ

やられたっと思った時には遅く、鍵を閉められていた。しかも、鞄も携帯も無い状況で最悪だ。

「馬鹿です、馬鹿ですみません……」

一人で謝り反省する。

時間も時間で、校内に誰か残っているとは思えない私はフェンスに近付いた。

頼みの運動部も、昨夜の雨でグランドがびちゃびちゃで誰も居ない。

ハァ……

と溜め息を吐く。

このまま、明日まで此処に居ないといけないかもしれない。

多分バチが当たった、下手な嘘と彼を怒らせた事もある。

諦めようと思った。

別に親は私の心配をしない、だからなのかも知れない、“自分の事は自分でやりなさい”が母の口癖。

仕事、仕事と忙しい人で私に興味が無い事も分かってる。



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