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第1章 私と彼

一瞬、言われた意味を理解出来ずに混乱する頭で聞く。

「え、あの、お邪魔ではないのですか?」

「なんの邪魔だよ、いいからこっち座れば」

木影に座り、ポンポンと軽く手で横を叩く。

頭が真っ白になり何も浮かばない、ただ、嬉しくて自然と頬が緩んだ。

戸惑いながらも私は隣に座る

「あの、ありがとうございます」

「お礼言われような事してないけど」

「いいえ、私が…言いたかっただけです」

そう言い、手元の御弁当に視線を下げた。隣に居るだけで嬉しい。何か話したくて欲が出た。

「えっと、いつも此処で食べていらっしゃるのですか?」

「いや、今日はアレ見付けたから」

そう言われ、彼が木の上を指差す。私が視線を向けると木の枝の辺りに、鳥の巣があった。

「わぁ、初めて見ました!」

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