隣人
第2章 芽生え 5月
次の日、無難な無印のタオルを買い、その足で隣に向かった。
呼び鈴を押す。
「…はい…」
無愛想な眼鏡の男性が、顔を覗かせる。年は、同世代の様だ。
「あの、遅くなりましたが、隣に越してきた川野です。宜しくお願いします」
男はタオルを受け取ると、「ども。」と頭を下げ、部屋に戻って行った。
感じワル…
吉田さんと大違いだ。
日曜日は、美咲の唯一の休日。
夕方には、雅人のブランド"spirit&soul"の展示会に招かれている。
まだ、夏にもなっていないのに秋冬新作を観る事に、あまり乗り気ではない。
お洒落しないとかな…ちょっとダルイ。
そう思いつつ、モノトーンの胸元の大きく開いたワンピースを着る事にした。
年齢より、大人びた格好。
雅人とのバランスを意識した。
展示場までは、電車を乗り継いで1時間。休日のせいか、車内は少し混み合っている。
胸元をチラチラ覗いて来るおじさんにはもう慣れた。長身と端正な顔立ちのせいで、同世代の男の子には、羨望の眼差しを向けられる。
しかし、学生の時からモテて、憧れられていた存在ながら、恋愛には慣れていなかった。
何もかも、雅人が初めての男。
呼び鈴を押す。
「…はい…」
無愛想な眼鏡の男性が、顔を覗かせる。年は、同世代の様だ。
「あの、遅くなりましたが、隣に越してきた川野です。宜しくお願いします」
男はタオルを受け取ると、「ども。」と頭を下げ、部屋に戻って行った。
感じワル…
吉田さんと大違いだ。
日曜日は、美咲の唯一の休日。
夕方には、雅人のブランド"spirit&soul"の展示会に招かれている。
まだ、夏にもなっていないのに秋冬新作を観る事に、あまり乗り気ではない。
お洒落しないとかな…ちょっとダルイ。
そう思いつつ、モノトーンの胸元の大きく開いたワンピースを着る事にした。
年齢より、大人びた格好。
雅人とのバランスを意識した。
展示場までは、電車を乗り継いで1時間。休日のせいか、車内は少し混み合っている。
胸元をチラチラ覗いて来るおじさんにはもう慣れた。長身と端正な顔立ちのせいで、同世代の男の子には、羨望の眼差しを向けられる。
しかし、学生の時からモテて、憧れられていた存在ながら、恋愛には慣れていなかった。
何もかも、雅人が初めての男。