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隣人

第3章 五月雨  6月

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会も終盤になり、帰宅組みと三次会組に分かれ、ぞろぞろと店を出て行く。
「美咲、店終わったら連絡して」
雅人は美咲に手を振って、三次会に流れて行く。
さっきレイに言われたことが気になっていたが、結局雅人には聞けずにいた。

簡単に店を片付け、通常営業に戻る。
「美咲ちゃんも行けばいいのに」
マスターが声を掛けてくれたが、あまり乗り気ではない美咲は、店に残った。

少しすると、吉田が顔を見せる。

「今日はお疲れ様。飲みなよ」

そう言って美咲に酒を勧める。

マスターにアイコンタクトすると、頷いてくれたので、甘いカクテルを一杯作ってもらった。

「雅はカッコイイよな。モテるでしょ?美咲ちゃんは心配じゃないの?」

吉田に聞かれて狼狽する美咲。

「ん…まぁ」

少し迷って、吉田に聞き返す。


「あの…マグロってなんですか?」

突然の思いも寄らぬ質問に、吉田もマスターも目を丸くした。

「えっと…寿司ネタじゃない方だよね(苦笑)
まあ、呑みの席だから教えるけど、アレだね。
Hの時に、されるがままの人?
ん~、受身で動かないって言うか…
改まって聞かれると説明難しいなぁ(笑)」

美咲は、はっとして
「分かりました。もう大丈夫です」
そう言って、話をそこで止めた。


吉田は、マスターを一瞥すると、同じカクテルをもう一杯、美咲に促した。

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