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隣人

第3章 五月雨  6月

初めて入る吉田の部屋。

ここのアパートは横並び8室で、内2室が2LDK、外側4室が1Kになっている。
美咲は1K、吉田の部屋は2LDKだ。

「おじゃまします」

広いリビングには、茶色を基調とした家具が、センス良く配置されている。

「ソファーに座って待ってて」

フカフカの大きめのソファーに腰を下ろすと、少し酔いが醒めている事に気づいた。

吉田はワイングラスを2個と、赤ワイン、3種類のチーズを運んできた。

「あれ?奥さんは、寝てる?」

「ああ、奥さんは帰省中だよ」

「そうなんですね」
と言いながら、なぜか緊張してしまう。

吉田は、スーツのジャケットをハンガーにかけ、おもむろにネクタイに指を引き、緩める。
部屋着になるつもりはない様だ。
気の知れた仲だが、一線は引いている。

「お互い明日休みだし、潰れるまで呑もう!」

「はい!負けませんよ!」

改めて乾杯を交わし、美咲はワインに少し口をつけた。

「で、話戻るけど、今までにもあったの?こうゆうこと?」

美咲は首を捻った。

「はっきり言われたことはないけど、睨まれたりってゆうのはチョコチョコあったかな」

「じゃぁ、ただ単にやっかみじゃないのかな」

「うん…でも、どうして急に言い出したんだろ…
二人のsex事情を分かってる風だったんですよね…」

「雅が言ったか、もしくは…」

そう言って、まずいと思い話を替える。

「突っ込んだ話になるけど、美咲ちゃんは全く感じないわけ?」

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