
アリスは処女
第4章 優しさ
「………分かりました」
そう言うと、
クリッジはクローゼットから
ワンピースを取り出し
私に差し出した。
「風邪をひいては、大変です。
私は外で待っていますのでお着替えを」
「……ありがとう…」
私はクリッジが外に出たのを確認し
渡されたワンピースを着た。
「クリッジ…もういいですよ…」
「…失礼します」
クリッジは入るなり
すぐに紅茶を淹れた。
「姫、これを飲んで下さい…」
「……ありがとう」
「……………姫…」
「何ですか…?」
「本当に申し訳ございません…。
私の来室が遅れたせいで姫を傷つけて」
「そんな事…ないですよ。
クリッジが来てくれて助かりました」
「…ですが姫…
ルイ・アルベスの…」
「心配はいりません……。
クリッジ…この事は
公開しないでもらえますか…?」
「はい。もちろんです…」
私は紅茶を飲み
クリッジとホールに戻った。
