君がくれたぬくもり
第2章 新しい場所
その時、岳が戻ってきた。
その手にはお酒の缶がある。
陽菜がみんなにかこまれているのを見て少しだけほっとする。
案外人見知りはしないようだ。
すると和哉が岳に近寄り、そっと耳打ちをした。
「なぁ岳…陽菜ちゃんって彼氏いんの?」
「あぁ…?」
チッ………またか。
和哉は生粋の女好き。
まぁ実際モテるし、そうなる意味もわかるが……
「…いないんじゃね?」
「んだよそれ!
てかお前の女じゃねぇよな?」
「だから違うっつったろ。」
俺が軽くキレると、
和哉はそそくさとみんなの輪に紛れて行った。
……変なことにならなきゃいいけどよ。