君がくれたぬくもり
第53章 待ち人
「守れなくてごめん…
俺、弱いから…お前のこと傷つけてばっかりだな…」
岳はハハッと寂しく笑った。
そしてその大きな手で、陽菜の頬を伝う涙を拭う。
陽菜は首を横に振った。
「こんなに泣かせてごめんな…」
岳は陽菜の濡れた瞼にチュッと唇を当てる。
心臓がキュッとした。
何だかたまらなく
岳が恋しいよ………。
「岳…ちゅーして?」
「ん?しょうがねえなぁ」
岳はフッと鼻で笑うと、
陽菜の唇に柔らかなキスを落とす。
―――ちゅっ
「…へへ……///」
「なぁんだよ?」
思わずにやけてしまう陽菜を
からかうように笑いながら、
岳は陽菜の耳元に唇を当てた。
そしてフッと温かく甘い吐息がかかり、陽菜の肩はビクンと上がる。
「ちょ…耳はだめ……///」
「寒いからあっためてやってんだよ。」
「でも……ひゃぅっ///」
今度は耳にザラザラとしたものが当たった。
……岳の舌だ//