君がくれたぬくもり
第55章 幸せの時
とりあえず準備ができたから、コートを着て、マフラーを巻いて外に出る。
「お待たせっ」
岳は煙草を吸っていた。
最近は滅多に吸わないのに、今日は珍しい。
「おせぇし。」
「うん、ごめん。」
岳、何だか不機嫌そう…
陽菜何かしたかなぁ?
モヤモヤしながらも車に乗り込んだ。
――――……
「あ、そだ。
行き先決めたか?」
「うん、一応…。
あのね、○△水族館!!」
陽菜は元気よく言った。
昨日、ニュースで○△水族館の特集をやっていて行きたいと思ったのだ。
「…ん。よし、行くか。」
岳はニカッと笑った。
よかった…
機嫌、悪くなかったみたい。
岳にばれないよう、ホッと胸を撫で下ろした。