君がくれたぬくもり
第7章 星空
「ったく…人がせっかく慰めてやってんのに…」
「………。」
そうだったんだ…
和哉と別れて落ち込んでる陽菜を慰めるために
こんな綺麗な星空を……。
和哉……
「………。」
「……おい。」
岳の顔がパッと目の前に来る。
「また泣いてるし……」
「うぅ……だってぇ……」
どんなに酷いことを言われても
和哉が好きだったんだもん…
大好きだったんだもん…
ほんとは別れたくなかった。
別れたくなかったよ…
「……まだ未練あんのか…」
「自分から別れを告げたのに…変だよ…ねぇ……っ…」
岳は何も言わない。
しかし、優しく優しく…陽菜の背中をさすってくれた。
岳の手は優しくて安心する。
「陽菜、気が済むまで泣け。」
「うぅっ…岳……っ…ぅわぁぁーーん…」
陽菜は岳の言葉に甘え、岳の胸に顔を埋めた。
いつものタバコと香水の匂い…
すごくすごく安心した。