テキストサイズ

夢叶う日まで

第1章 集まった21人

問題は今から帰っても、寮の門限に間に合わないことだ。

外泊は問題ないけど、帰るなら帰るで、門限までに帰らなければならない。

「ひなが嫌じゃなきゃ、どっか泊まる?」
「…うん」

タクシーの運転手さんに、近くのホテルに行ってもらって、しばらく走ったところで降りた。

「行こう」
「うん」

ラブホなんて始めてだ。
……するのかな

ぐるぐる考えていると、サトシは手近なホテルを選んで、あたしの手を引いた。

部屋に入ると、思いの外綺麗でビックリした。

「俺、シャワー浴びてくるわ」
「ん」

サトシがシャワーに行っている間に、あたしは簡単にメイクを落とした。
アメニティも揃っていて、そこらのビジネスホテルより便利だ。

することがないので、テレビをつけると、スポーツの中継をやっていた。

見るともなしに眺めていると、サトシがシャワーから出てきた。
上半身裸で、筋肉がしっかりついている。
思わず見とれてしまった。

「ひなも行っておいで?暑かったし、汗かいたでしょ?」

サトシの言葉に我に返り、慌ててシャワーに向かった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ