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それでも恋するドM娘

第6章 独占欲と孤独感と。

惨めな気分になってもまた朝は訪れる。

千紗が家を出るといつものように家の前には忠犬のように幼馴染みの姫野光太が待っていた。

「おはよう、千紗」

くりっとした目で姫野に見られ、千紗は思わずいらっとしてしまう。

穢れた自分と対照的に無垢な美しさに負の感情が沸き起こった。

「光太君、いい加減待ってなくていいよ。もう高校生なんだし。私も友達と学校行きたいから」

千紗は吐き捨てるようにそう告げると逃げるようにさっさと一人歩き出してしまう。

「ちょっと、千紗!! なに怒ってるのさ!」

子犬のように姫野が千紗のあとを着いてくる。

それに千紗はさらに苛立ちを強めた。

歩く速度を緩めない千紗に姫野は黙って着いてくる。

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