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それでも恋するドM娘

第7章 ショートヘア

寺居が立ち寄るにしてはやや可愛らしい雑貨屋で、寺居は赤いヘアピンを手に取った。

「千紗これ似合いそうだな」

「え、これ? 可愛らしいね。私みたいな地味な顔に似合うかなぁ?」

千紗は受け取って髪にかざしてみる。

特に飾り気もない実用性が重視されたような髪留めではあるが、赤い色が可愛らしくも見えた。

寺居は真剣な眼差しで千紗を見つめていた。

「……よく似合ってるよ」

普段の無表情からは創造も出来ない柔らかい笑みを見せる寺居に、ドキッと胸をときめかせる。

そもそもヘアピンなどは髪が長い人の方が使うもので、髪をばっさりと切ったショートヘアの千紗には特に必要なものでもなかったが、寺居が褒めてくれるのでそんな違和感はすぐに消えた。

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